経営再建中のパナソニックであるが、欧州委員会からカルテルで巨額の制裁金を課された。パナソニックは、倒産の可能性がささやかれており、格付けの低下やCDSの上昇など厳しい局面が続いている。
パナソニックや東芝など7社が1600億円の制裁金
▲パナソニックなど7社にカルテル制裁金1600億円 欧州委 ブラウン管巡り2012/12/5 22:00
【ブリュッセル=御調昌邦】欧州連合(EU)の欧州委員会は5日、テレビとコンピューターモニターのブラウン管に関連してカルテルがあったとして、パナソニックや東芝を含む国際的な7社のグループに合計14億7051万5千ユーロ(約1600億円)の制裁金を科したと発表した。1996~2006年の間に価格を不正に設定したほか、市場のすみ分けなどを実施したと判断した。パナソニックや東芝などが、欧州委員会から、過去のカルテルについて指摘があり、巨額の罰金が科された。概要を下記にまとめる。
- テレビとコンピューターモニターのブラウン管
- パナソニックや東芝を含む国際的な7社のグループ
- 合計14億7051万5千ユーロ(約1600億円)の制裁金
- 1996~2006年の間に価格を不正に設定と市場のすみ分け
カルテルに関する制裁金では、最高金額
カルテルには、韓国のサムスンSDIやLGエレクトロニクス、欧州電機大手フィリップスなども関わった。日本企業はテレビのブラウン管のカルテルだけに関与したという。欧州委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は記者会見で「今回の制裁金はカルテルに関する決定では最高金額」と指摘した。パナソニックや東芝以外にも、韓国企業やフィリップスの名前が浮上している。ポイントは、制裁金が過去最高金額である点であろう。では、パナソニックがどの程度の罰金を負担したのか見てみよう。
2億ユーロ近い罰金
日本企業では、パナソニックが単体で1億5747万8千ユーロ、東芝は単体で2804万8千ユーロの制裁金を科された。さらにパナソニックと東芝などの合弁事業に8673万8千ユーロ、パナソニックの合弁事業に788万5千ユーロの制裁金を求めた。上記について、少しまとめてみよう。
- パナソニック単体1億5747万8千ユーロ
- パナソニックと東芝などの合弁事業に8673万8千ユーロ
- パナソニックの合弁事業に788万5千ユーロ
- 東芝は単体で2804万8千ユーロ
そうすると、単体と合弁事業を合計すると、2億ユーロ前後の金額となり、かなりの巨額だ。
一部の企業は欧州委員会に情報提供などを実施したことで、制裁金を減額されたが、日本企業に対しては減額はなかった。どうやら、今回のカルテルについて申告した企業があったようであるが、パナソニックや東芝ではなかったようだ。ブルームバーグによれば、台湾の中華映管がカルテルの事実を申告、制裁対象外となったようだ。
欧州裁判所への提訴も視野
▲パナソニック「提訴も視野に対応検討」ブラウン管カルテル2012/12/5 22:37
欧州委員会の決定に対しパナソニックは5日、「事実認定や法令の適用に疑義があるため、欧州委員会の決定の内容を精査したうえで、今後、欧州裁判所への提訴も視野に入れて対応を検討する」とのコメントを発表した。パナソニックは欧州委員会の処分に対して不服であるとして、提訴を検討しているようだ。
今後の行方に注目であるが、パナソニック問題点の一つに、ご機嫌取りの記者がいる点が指摘されている。業績に影響を与える内容であるため、報道のされ方には、少し注意が必要かもしれない。
パナソニック自動車部品カルテルで罰金が報じられており、黒字決算を目指す中で、負の遺産が業績下落圧力になりそうですね。
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パナソニック自動車部品カルテルで罰金が報じられており、黒字決算を目指す中で、負の遺産が業績下落圧力になりそうですね。
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