この画像は、2012年3月期の通期予想を中間決算発表時に7000億円以上と発表しているが、この画像は修正されておらず、やや古いものであると思われる。注目して欲しいのは、左側の工場稼働率と、液晶パネル姫路工場が減損処理されている点である。
パナソニック シャープ ソニーの業績悪化
電機業界は、ソニー、シャープ、パナソニックで一つのカテゴリーとして見られることがある。無論、企業規模がシャープは小さい事や、ソニーは金融面にも強いことなど、3社はかなり違うと言える。シャープは、倒産か買収の瀬戸際にまで追い込まれている。パナソニックはシャープほど財務は痛んではいない。しかし、倒産の可能性が囁かれだしている。その理由について見てみよう。
赤字の理由
パナソニックの赤字についても、ソニー赤字の原因と似ている部分がある。2012年11月1日の産経新聞が報じた内容を見てみよう。1日に決算発表したシャープ、ソニーや、10月31日に決算発表したパナソニックが大幅な最終赤字を計上した原因となったのが固定資産の減損だ。企業が資産の含み損を先送りできないようにするため、日本の会計基準で平成17年度(18年3月期)に減損会計が強制適用された。(産経新聞)パナソニックの格付けを、フィッチは、投機的水準で倒産危機であるとしている。その理由について、中核事業での競争力低下に加え、キャッシュを生み出す力が弱くなっているとした。
フィッチの格下げは決算発表を受けてのものであるが、パナソニックが減損で巨額損失をだしたことを考えるとその見解は納得感がある。
減損処理の判断根拠
減損処理をするかどうかは、資産の簿価と将来見込めるキャッシュフロー(CF、売り上げ)合計額とを比較することで判定する。
簿価が1千億円の工場のケースでは、将来見込めるCF合計額が1千億円を下回ると、投資回収は困難と判断される。この場合、工場は含み損を抱えていることになり、減損損失を計上しなければならない。つまり、どういった事かと言うとフィッチの指摘する通り、パナソニックが収益力を生み出す力が低下しており、工場に投資した金額に見合った収益が見込めなくなったという事である。
その一方で、減損損失や人員削減は、甘い見通しでない限りは、一過性の損失である可能性が高い。新製品開発や、新分野の開拓に成功、再浮上する事に期待したいと思う。 スポンサードリンク
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