パナソニック取引先とリストラの影響

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東京商工リサーチが、パナソニック取引先について詳細なデータを発表している。パナソニックの取引先は3万社を従業員数百万人のかなり広範囲であり、リストラの影響が大きく現れる可能性がありそうだ。


まとめ

仕入先の特徴

仕入先の合計31,390社

  • 1次仕入先は1万1,031社
  • 2次仕入先(1次仕入先の仕入先)の総数は2万360社
  • 本社のある大阪、工場のある地域からの仕入れが多い
  • 取引先の従業員数約690万人

1次仕入先

  • 1次仕入先は1万1,031社
  • 製造業が4,365社(構成比39.5%)で約4割
  • 卸売業1,898社(同17.2%)
  • 建設業1,879社(同17.0%)
  • サービス業他1,287社(同11.6%)
  • 情報通信業743社(同6.7%)

2次仕入先

  • 2次仕入先(1次仕入先の仕入先)の総数は2万360社
  • 従業員数の合計が約583万人

販売先の特徴

1次販売先

  • 5人未満の零細企業が多い
  • 1万3,926社
  • 小売業が6,518社(構成比46.8%)で、約半数。販売代理店、家電量販店などが中心。
  • パナホーム関係の建設業2,744社(同19.7%)
  • 卸売業2,675社(同19.2%)

2次販売先

  • 1万9,062社
  • 住宅関連の建設業が5,724社(同30.0%)
  • 製造業3,973社(同20.8%)
  • 卸売業2,728社(同14.3%)
上記が、下記からの数字の抜粋である。詳細については、下記をご参照。

 仕入先は31,390社 従業員数約690万人

「パナソニックグループ国内取引状況」調査 ~ 仕入先は直接・間接取引を含め国内3万1,390社 取引先総従業員は約690万人 ~
公開日:2012.11.15 東京商工リサーチ
東京商工リサーチでは企業データベース(245万社)に基づく企業相関DBから、パナソニックおよび主要国内連結子会社32社を対象に、同グループを取引先とする国内企業の取引状況を調査した。その結果、パナソニックグループの直接仕入先(1次仕入先)は1万1,031社、さらに直接仕入先との取引を行う間接仕入先(2次仕入先)は2万360社にのぼった。
東京商工リサーチが、企業のデータベースからパナソニックとパナソニックの主要子会社の取引先を調査した。上記の情報についてまとめてみよう。
  • パナソニックと主要国内連結子会社32社が対象
  • パナソニックグループの直接仕入先(1次仕入先)は1万1,031社
  • 直接仕入先との取引を行う間接仕入先(2次仕入先)は2万360社
パナソニックと、パナソニックと主要国内連結子会社32社の取引先は、3万社を超えている。パナソニックの存在感がいかに大きいのかが分かるであろう。では、地区別に見てみよう。

仕入先は関東 近畿地区で7割

販売先は地域が偏在 仕入先は特定業種

地区別の販売先は関東、近畿が主体であるが全国に販売網を確立、仕入先は関東、近畿地区で7割以上を占めていた。産業別の仕入先は製造業、卸売業が主力となっているほか、住宅関連の建設業割合も多い。一方、販売先では直接取引の1次販売先で小売業を主体に建設業、卸売業の割合が高く、2次販売先ではパナホーム関連の建設業が3割を占めトップの比率であった。
東京商工リサーチが、パナソニックとパナソニックの主要子会社の仕入先と販売先の特徴について調査している。その内容について見てみよう。パナソニックはリストラを進めているが、特定業種に大きな影響がでそうだ。

仕入先

  • 関東、近畿地区で7割以上
  • 製造業、卸売業が主力
  • 住宅関連の建設業割合も多い
パナソニックの仕入先の特徴については、地域と業種に偏在があることが分かる。続いて、販売先について見てみよう。

販売先

  • 1次販売先で小売業を主体に建設業、卸売業の割合が高い
  • 2次販売先ではパナホーム関連の建設業が3割を占めトップの比率
パナソニックは、電化製品が有名であり、小売業が有名であることは容易に想像がつくであろう。意外なことは、建設業、卸売業の割合が高いことだ。おそらく、住宅関連の販売先が多いのではなかろうか。

販売先は5人未満の零細企業が多い

従業員別の1次販売先では5人未満の零細企業の5割が卸・小売業で占め、末端の販売店までパナソニックグループの取引が浸透していることがわかる。1次、2次仕入先の総従業員数は約690万人におよび、今後の経営改善策次第では雇用環境をはじめ、国内経済への様々な影響も考えられる。
販売先については、零細企業が多いが、系列の販売店であろうか。
最大の特徴は、仕入先の総従業員数が約690万人に及んでおり、パナソニック赤字の雇用への影響が、広範囲に及ぶ可能性がある点だ。

1次仕入先と業種別の内訳

1次仕入先の内訳

パナソニックおよび主要国内連結子会社32社(以下、パナソニックグループ)の1次仕入先は1万1,031社。産業別では製造業が4,365社(構成比39.5%)で約4割を占めた。次いで卸売業1,898社(同17.2%)、建設業1,879社(同17.0%)サービス業他1,287社(同11.6%)、情報通信業743社(同6.7%)と続いた。
上記の情報について、ならべたのが下記だ。
  • 1次仕入先は1万1,031社
  • 製造業が4,365社(構成比39.5%)で約4割
  • 卸売業1,898社(同17.2%)
  • 建設業1,879社(同17.0%)
  • サービス業他1,287社(同11.6%)
  • 情報通信業743社(同6.7%)
特徴的なのは、製造業以外がかなりの割合を占めている点である。パナソニックグループの仕入先の裾野の広さがよく分かる。

仕入先 製造業の内訳

製造業4,365社の詳細な業種別では「他の電子部品・回路・デバイス製造」が195社でトップ、次いで「金属用金型・部分品・附属品製造業」が144社などで、パナソニック製品の外注・下請企業が中心とみられる。
製造業の内訳について見てみると、「他の電子部品・回路・デバイス製造」が最も多いが、製造業全体の5%に満たない割合である。つまり、製造業の幅広い業種と取引があることが分かる。

仕入先 地区別の内訳

近畿が多い

地区別では関東4,146社(同37.5%)、近畿3,905社(同35.4%)、中部1,141社(同10.3%)でこの3地区で8割以上を占めた。
仕入先を見ると、関東、近畿が多いことが分かる。ただし、経済規模を考えると近畿の割合がかなり高いことが分かるであろう。

大阪府が最多 

都道府県別では本社がある大阪府が2,711社、次いで東京都が2,070社、神奈川812社と続く。生産拠点を有する愛知県588社、兵庫県422社、京都府365社が上位となり地域経済への影響度が高いことがわかった。
パナソニックの仕入先の特徴を見ていると、本社である大阪府が多い事が分かる。生産拠点の多い地域についての指摘があるが、パナソニックの工場の雇用と仕入先の雇用と二重に打撃が多いであろう。

2次仕入先の従業員は約583万人

また、2次仕入先(1次仕入先の仕入先)の総数は2万360社におよび、これらの従業員の合計は約583万人だった。
パナソニックの業績悪化で1次仕入先への発注減少が予想される。そうすると、1次仕入先から2次仕入先への発注の減少が予想される。パナソニックの2次仕入先の従業員の合計は、約583万人に及んでおり、大きな影響が出そうだ。

販売先の特徴

パナソニックグループの1次販売先は1万3,926社。産業別では小売業が6,518社(構成比46.8%)で、約半数を占めた。全国にまたがる販売代理店、家電量販店などが中心。次いでパナホーム関係の建設業2,744社(同19.7%)多く、卸売業2,675社(同19.2%)と続く。
販売先について見てみよう。

1次販売先

  • 1次販売先は1万3,926社
  • 産業別では小売業が6,518社(構成比46.8%)で、約半数。販売代理店、家電量販店などが中心。
  • パナホーム関係の建設業2,744社(同19.7%)
  • 卸売業2,675社(同19.2%)
やはり、製造業以外の影響が大きそうだ。
続いて、2次販売先について見てみよう。

2次販売先

また、2次販売先の総数は1万9,062社で、住宅関連の建設業が5,724社(同30.0%)トップ。次いで製造業3,973社(同20.8%)、卸売業2,728社(同14.3%)と続く。
  • 住宅関連の建設業が5,724社(同30.0%)
  • 製造業3,973社(同20.8%)
  • 卸売業2,728社(同14.3%)
パナソニック取引先の裾野の広さを見ていると、シャープ取引先企業の特徴と比較すると、リストラの影響は、より広範囲に及びそうだ。各地域や業種ごとにどういった影響が出るのか、注視する必要があるのかもしれない。
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