パナソニック薄型テレビの失敗(3)

パナソニック薄型テレビの失敗は、投資金額と撤退の時期を失敗していることが分かります。パナソニックは、テレビ事業による経営悪化の繰り返しを避けるために、有機ELはソニーと提携を発表しています。

(1)パナソニックプラズマ撤退とリストラ

パナソニックは、プラズマテレビの撤退について検討していることが報道されており、尼崎工場のプラズマパネル工場はリストラの可能性があります。パナソニックは、尼崎のプラズマテレビ工場の設備部分の減損損失は計上を終えていますが、建屋部分のリストラはまだ終わっていません。

パナソニックは、プラズマテレビと液晶テレビ投資による経営資源の分散で失敗しましたが、今後の薄型テレビの見通しについて、2013年3月18日の日本経済新聞が1面を見てみましょう。

(2)ソニーと有機ELテレビで連携

ソニーと提携して量産技術の確立を目指している有機ＥＬテレビは、14年度の製品発売を目指す。液晶よりも消費電力が少なく画像が鮮明などといった特徴がある。ただ投資負担を減らすため、ソニーなど他社との協業や合弁、生産委託を前提に事業化を進める。

パナソニックソニーと有機EL提携を発表していますが、投資負担を減らすことで、プラズマテレビと液晶テレビの失敗を避けるようですね。

パナソニックは薄型テレビ事業などの投資失敗により、パナソニック借金1兆円 2兆5千億円喪失しており、財務状態が大きく悪化しており、松下銀行と呼ばれた輝きはありません。

(3)パナソニックのテレビ事業は5期連続営業赤字

パナソニックの12年度のテレビの世界販売計画は1300万台で、10年度の2000万台強から落ち込む。12年度のテレビ事業は5期連続の営業赤字となる見通し。

パナソニックのテレビ事業失敗について、販売台数や業績の面から見てみましょう。

パナソニックの2010年度のテレビの世界販売計画は2000万台強
パナソニックの2012年度のテレビの世界販売計画は1300万台
2012年度のテレビ事業営業赤字の見通し
パナソニックのテレビ事業は5期連続の営業赤字の見通し

パナソニックのテレビ事業は、700万台強の販売台数の減少と5期連続の営業赤字見通しを見ると、大きく失敗していることが分かります。

(4)薄型テレビ撤退の失敗

しかし液晶テレビの画質向上や大画面化で特色を打ち出せなくなり、プラズマテレビ用のパネル事業からは日立製作所が08年度に、パイオニアは09年度に撤退。パナソニックの撤退でプラズマテレビを手がける国内家電メーカーはなくなる。

パナソニックは薄型テレビ事業に失敗しましたが、日立製作所やパイオニアは数年前にプラズマテレビ用のパネル事業から撤退しています。

パナソニックは薄型テレビの投資で失敗しましたが、撤退の決断を過去の経営陣が下さなかったことで業績悪化が拡大したようですね。パナソニックテレビ撤退が遅い理由(4)に続く。

スポンサードリンク