▲パナソニック、デジタルカメラのホームページ
三洋のデジカメ事業をファンドに売却で調整
▲パナソニック、三洋のデジカメ事業をアドバンテッジに売却で調整2012年 12月 12日 12:10 (ロイターニュース 村井令二)
[東京12日 ロイター]パナソニックが子会社三洋電機のデジタルカメラ事業を年度内にもアドバンテッジパートナーズに売却する方向で調整に入ったことがわかった。パナソニックが、三洋のデジカメ事業をヘッジファンドに売却することを発表した。パナソニック赤字の原因は、テレビ事業への巨額投資に対して減損損失を計上した事が指摘されている。もう一つの原因として、三洋電機の買収に失敗した事が指摘されている。
デジカメ事業の売却価格
複数の関係筋によると、三洋のデジカメ子会社の三洋DIソリューションズ(大阪府大東市)とインドネシア工場を数億円で売却する方向。パナソニックはリストラを進めているが、三洋電機のデジタルカメラ事業もリストラの対象となり、数億円で売却されたようだ。管理人は、工場の売却価格として、安値に思えるがその理由について見てみよう。
OEM供給が中心のため安値
直近の三洋のデジカメ事業は、自社ブランドを持たずにオリンパスなど複数メーカーにOEMで供給(相手先ブランドによる生産)している。パナソニックが展開するデジカメ「ルミックス」とは統合せず、売却先を探していた。パナソニックがリストラを発表した、三洋のデジカメ事業について見ると、OEM供給が中心の為、自社ブランドを持っていなかったようだ。その事が、安値での売却に繋がった原因であろう。パナソニックは倒産防止のためにリストラを進めているが、カメラ事業が対象となったようだ。
三洋のデジカメ事業の推移
三洋は1995年にデジカメ事業に参入し、97年から三洋ブランドでデジカメを発売した。売上高のピークは2004年3月期の2250億円だが、2011年3月期には1100億円の規模に縮小していた。デジカメの生産台数のピークは2008年3月期の1500万台だが、コンパクトカメラの市場縮小に伴って、足元では落ち込んでいるとみられている。三洋のデジカメ事業の推移についてまとめてると、下記のようになる。
- 1995年にデジカメ事業に参入
- 1997年から三洋ブランドで発売
- 2004年3月期売上高が2250億円で売上がピーク
- 2008年3月期の1500万台で生産台数がピーク
- 2011年3月期には1100億円
デジカメ事業売却報道を否定
2012年12月12日一部報道について本日、当社デジタルカメラ事業の売却について一部報道がありましたが、当社から公表したものではありません。ロイターは、パナソニックが三洋電機のデジカメ事業売却先や売却金額について詳細を報道しているが、パナソニックはプレスリリースで否定している。
パナソニックへの影響
ブランドが独立しており影響は小さい
三洋のデジカメ事業の売上高はピーク時の半分になったが、1100億円の事業が数億円で売却された事は驚きだ。今回、売却を発表した三洋のデジカメ事業と、パナソニックの自社ブランドのデジカメ事業は統合していない。そのため、パナソニックの自社ブランドのデジカメ事業には、影響はなさそうだ。
調達価格の変動に注目
ただし、デジカメの部品の調達について、規模のメリットによるコスト低下を享受していたのであれば、調達単価の値上がりに今後、繋がる可能性がある。パナソニックが、三洋電機のデジカメ事業をリストラした理由を見ると、独自デジカメのブランドであるルミックスが別に存在していることと、三洋のデジカメ事業がピークを過ぎた事が要因としてありそうだ。パナソニックのリストラした社員に対して、技術者を取り込む動きがでているが、事業をファンドなどが買収する動きも加速するのかもしれない。 スポンサードリンク
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