パナソニック プラズマテレビをリストラ理由(2)

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パナソニックはプラズマTVリストラを発表しましたが、今後の方針について見てみましょう。パナソニックはプラズマTV以外に経営資源を振り分ける方針ですが、来期以降、新しい成長分野を作ることができるのか注目ですね。

(1)薄型テレビのうちプラズマの市場シェアが低い

パナソニック プラズマTV撤退(1)について、2013年3月18日の日本経済新聞が1面を見てみましょう。
プラズマテレビの新規開発はすでに中止している。特に国内では薄型テレビの市場が縮小し、液晶とプラズマの2方式を続けるのは非効率と判断。市場の1割に満たないプラズマテレビから撤退する。従業員の配置転換などを検討する。
パナソニックが、薄型テレビのうちプラズマ撤退の理由について見ると、薄型テレビに占める割合が低いことが分かります。

(2)プラズマTV関連産業と市場シェア

パナソニックがプラズマテレビをリストラする理由は、薄型テレビのうち、プラズマTV関連産業と市場シェアについて考えてみましょう。
  • 液晶テレビ 市場シェアの9割以上
  • プラズマテレビ 市場シェアの1割未満
パナソニックはプラズマテレビに設備投資を集中しましたが、薄型テレビの世界シェアに占めるプラズマテレビの割合は低いです。

パナソニックがプラズマテレビを製造する際に部品の調達が必要ですが、市場シェアが小さいため取引先の量産効果も限られることから価格が下がりにくいことが分かります。

(3)パナソニックの薄型テレビ設備投資の失敗

パナソニックは薄型テレビに巨額の設備投資を行う経営判断を行いましたが、その失敗により業績悪化と赤字に苦しんでいます。パナソニック社員はリストラ70,000人により減少していますが、経営悪化の責任は役員をとっていないですね。

パナソニックは、日本が誇る世界的な大企業ですが、経営陣に対するコーポレートガバナンスが弱く、経営者の責任が問われない体質なのかもしれないですね。

(4)液晶テレビは韓国企業からの調達増加の予定

液晶テレビ事業も縮小の対象。液晶パネルは姫路工場(兵庫県姫路市)で生産しているが、今年度中に外部調達比率を7割に高める。韓国LG電子などからの調達を増やし、最終的には大半を外部調達にする。
パナソニックはプラズマテレビをリストラすることを検討していますが、液晶パネルについても自社生産を減らす方針のようですね。

パナソニックは液晶パネルは、競合相手である韓国企業から調達する方針のようですが、液晶パネル事業で韓国企業との競争に敗北したことも意味します。パナソニックなど大手家電メーカーは、民主党政権による超円高政策により企業体力を消耗しており、韓国企業が液晶パネル分野で地位を築いていることを意味しそうですね。

(5)タブレット向けの中小型液晶の生産にシフト

商品ラインアップは維持しつつ、液晶テレビ事業に投じてきた人や資金を成長分野に振り向ける。姫路工場はタブレット(多機能携帯端末)向けの中小型液晶などに生産をシフトする。(続く)
パナソニックは液晶テレビ事業の生産シフトを検討していますが、シャープ サムスンに液晶パネル供給で乗り切ろうとしています。パナソニックなど家電メーカーにとって、液晶パネル事業のリストラが経営課題になっていると言えると思います。パナソニック薄型テレビの失敗(3)に続く。
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