(1)パナソニックのテレビ撤退
パナソニックはプラズマテレビ撤退を決断しましたが、借金1兆円と多額の現金を喪失しており、松下銀行と呼ばれた財務の健全性はなくなっています。パナソニック資金繰りの真相は、手元資金確保のために三井住友銀行などの銀行団とシンジゲートローン契約を締結しています。パナソニックの津賀社長は危機感を抱いており、不動産などの保有資産売却により手元資金確保を行おうとしており、同時にプラズマTV撤退も発表しています。
(2)プラズマテレビに5000億円を超す巨額投資
パナソニック テレビ撤退が遅い理由について、2013年3月19日の日本経済新聞13面を見てみましょう。パナソニックがプラズマテレビから撤退する検討に入った。早ければ2014年度にも生産を終える見込み。2期連続で7000億円超の連結最終赤字になる同社にとって、液晶とプラズマの「二刀流」はもはや限界。こだわりの技術に消費者の支持は広がらず、5000億円を超す巨額投資は実を結ばなかった。パナソニックはテレビ撤退と生産縮小を発表しましたが、失敗が拡大した原因は液晶テレビとプラズマテレビの生産を並行して行ったことです。
パナソニックはプラズマテレビに5000億円を超える投資を行いましたが、利益ではなく赤字を生む状況となっており、大失敗に終わっています。
(3)プラズマテレビ撤退が遅い理由と影響
「プラズマを続けるのは難しい。だが取引先との関係もあり、簡単にやめるとは言えない」。パナソニック幹部の苦悩は深い。家電店への影響は無視できず、建屋の減損処理など、事業をやめるにも数百億円単位の費用がかかる。パナソニックのプラズマテレビ撤退が遅い理由を見ると、取引先とのしがらみのようですね。パナソニックが2年連続で7000億円を超える赤字をだしていたことを考えると、リストラによる数百億円単位の費用は比較にならないと思います。
パナソニック幹部は、家電店への影響は無視できないと語ったようですが、市場シェアを見るとパナソニック撤退の影響はないに等しいのではないでしょうか。
(4)市場シェアは低くテレビ撤退の遅れはプライドか
テレビ市場全体の1割に満たないプラズマの存在感は薄く、撤退にかじを切るのは自然な流れだ。しかし、テレビのトップメーカーとしてのこだわりが、決断を先送りさせてきた。パナソニック幹部の言葉は、テレビ市場シェアで大きな割合を占めていれば現実感がありますが、1割に満たないようでは家電店に撤退の影響はないに等しいでしょうね。パナソニック幹部の考え方が、現実からかけ離れているという指摘がありそうですね。
パナソニックがテレビ撤退が遅れた理由は、トップメーカー時代のことが忘れられず、現実に目を向けずに先送りを続けた結果かもしれないですね。
(5)プラズマテレビ撤退はライバルメーカーよりも遅れる
パナソニックがプラズマテレビを発売したのは1997年。液晶より高画質で、ブラウン管に代わる次世代テレビの本命と位置づけたが、液晶に画質や大画面化で追い上げられ、00年代半ば以降はパイオニアなどが相次ぎ撤退。ある役員OBは「06年にはプラズマは厳しいと認識していた」と明かすものの、軌道修正はままならなかった。パナソニックの投資が失敗したことについて、パナソニック経営者の失敗と大赤字でまとめましたがライバル企業が撤退していた頃に、大型の投資を行っています。
パナソニック社員が巨額の投資を決断できませんので、失敗の責任は経営者にありますが、社内で高い地位にいるようですね。
(6)パナソニックはテレビの失敗でジャンク債に
プラズマパネルへの投資額は累計で5000億円超。最新鋭工場が稼働したのは世界不況の様相を呈していた09年後半以降だ。その間、液晶パネルの自社生産も増やすなど、豊富な資本にあかせた戦術は市場情勢の冷静な分析を欠いた。結果、テレビは経営を揺るがす重荷となった。パナソニックの財務状況は金融市場が厳しく見ており、パナソニック社債 ジャンク債の衝撃でまとめましたが、格付が投機的水準に格下げされており、社債の起債が困難になっています。
パナソニックのテレビ撤退が遅い理由は、経営者のこだわりであったようですが、財務状態は非常に困難な状態にありますね。パナソニックテレビ価格下落と赤字(5)に続く。 スポンサードリンク
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