パナソニック借金1兆円 2兆5千億円喪失(4)

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優良な財務体質で有名であった、パナソニックであるが借金1兆円、2兆5千億円の手元資金喪失により見る影もなくなっている。一時期、中村改革として、中村相談役がもてはやされたが、投資失敗の影響は大きかったようだ。

中村相談役を始めとする、全経営陣の経営失敗により、パナソニックは社員のリストラ70,000人(3)を行っている。しかし、パナソニック経営陣に危機感はなく、津賀社長がいら立っている様子を、日経新聞は2012年12月12日2面で報じている。

パナソニック財務余力喪失

津賀社長の怒り

「このままでは自主経営が許されない非常事態がおきる」。 
4~9月期の決算発表を1ヵ月後に控えた10月3日。大阪府門真市にある本社1階の講堂で津賀はいら立っていた。怒りの矛先はそこに集まった幹部クラスの社員。「こののんびりムードは何なんだ」。
決算発表前に、津賀社長はいら立っていたようだ。4~9月期の決算発表となっているが、中間決算の発表のことである。パナソニックは、松下銀行と言われたこともあり、優良な財務体質であることが認識されていたが、今や見る影もなくなっている。

無借金企業から転落 2兆5千億円の余裕資金が減少

2007年3月末に1兆5千億円あった余裕資金は5年間で2兆5千億円も減り、今や1兆円の借金を抱える。それなのに危機感が一向に伝わってこない。
パナソニックの業績悪化のニュースについて、聞き慣れた方が多いかもしれない。パナソニックの業績悪化は毎年、報じられてきたが気付けば、2兆5000億円の資金が吹っ飛んでいる。いかに、この間の企業経営に失敗したのかが分かる数字だ。

では、余裕資金の喪失理由について見て見ると、パナソニック経営者の失敗で大赤字となったことが大きな要因である。兵庫県尼崎市のプラズマパネルの第1~3工場を建設するテレビ事業に5000億円以上、三洋電機の買収に8000億円、この2つのだけでも莫大な金額だ。

この中村相談役を始めとする、前経営陣の失敗を減損損失として、清算したことが、パナソニック赤字の原因の一つだ。パナソニック支払期間変更と資金繰り悪化を見ると、取引先に資金繰り負担を押し付けることで生み出していた現金を、経営失敗で喪失したことが分かる。

パナソニック投機的水準に格下げ

格付けの格下げ

そして10月31日。パナソニックは今期の最終赤字が7650億円になるとの見通しを発表。ムーディーズ・ジャパンは11月20日、パナソニックの格付けを2段階下げた。もう1段下がれば「投機的」水準だ。
日経新聞は、ムーディーズの格付けを引用して、投機的水準の手前であると報道している。これは、日経新聞のパナソニックへの配慮ととられかねない。

同時期に、フィッチはパナソニック格付を投機的水準に引き下げているからである。格付け会社が、パナソニックの業績に対して、かなり厳しく見ていることが分かる。

シャープを意識

すでに投機的と格付けされ、銀行から協調融資を受けるシャープより危機レベルは低いといえるが「最悪の場合、資金調達は銀行融資以外になくなる」(津賀)。戦後の混乱期にしか経験したことのない事態だ。
一般的には、シャープとパナソニックの業績悪化のニュースを目にする人が多く、同じ家電企業と言う事もあり、意識している人も多いであろう。しかし、この内容では、日経新聞がパナソニックに遠慮したと言われても仕方がないかもしれない。

あくまで、管理人の私見であるが、日経の記者はあまり、銀行には詳しくない人間かもしれない。そもそも、パナソニックもシャープも投機的水準に格下げしている、格付け会社がある。加えて、協調融資を受けているとなっているが、シンジゲートローンは、パナソニックのほうだ。
シャープは、三菱UFJ銀行とみずほコーポレート銀行がタイミングを合わせて融資、その一部をりそな銀行などが担保付きで肩代わりをする話が浮上している。

パナソニックは、三井住友銀行が中心となって、協調融資(シンジゲートローン)を実行している。日経の報道が間違っていることが分かる。

パナソニック株主総会2013内容を見ると、70000人の社員リストラと2兆円超の赤字により株主は無配となっていますが、役員退職慰労金を18億円支給したことに当然ですが批判が出ていますね。

パナソニック社員の改革疲れ

ある40歳代の社員はこう語る。「社員に危機感がないって冗談じゃない。経営陣は改革、改革って毎日言うけど、そのたびに組織が変わる。もう改革という言葉に我々は疲れたんだ」 
相談役の中村邦夫(73)が社長時代、「聖域無き構造改革」を掲げてから12年余り。津賀は肥大化した本社を戦略立案に特化したスリムな組織に変えようとしている。しかし改革が半ば常態化してしまった社内で、真に必要な改革はできるのか。津賀の苦悶(くもん)が続いている。
パナソニックの中村相談役が社長時代に改革を言い始めてから、すでに12年が経過しているようだ。残念ながら、中村改革は投資の失敗による巨額損失発生により、失敗に終わった。

中村改革の代償が、借金1兆円と2兆5千億円喪失による痛んだ財務だとすると、あまりにも無残だ。津賀社長は、資金繰り安定のために、社長就任後、銀行からの借入を検討することになる。パナソニック資金繰りの真相(5)に続く。
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