パナソニック赤字決算発表の真相(2)

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パナソニック赤字決算発表の真相について見てみると、役員内で損失計上の範囲をどのようにするのかについて、一悶着があったようだ。決算発表前に、津賀社長は宿泊する宿を直前にかえるなど、情報秘匿のために対策をとっている。

パナソニック経営者の失敗と大赤字(1)について見ると、中村相談役が社長や会長時代に決定した大型投資が、業績悪化の主因となっている。津賀社長は、損失計上をすることで、負の遺産に区切りをつけようとしている。日経新聞2012年12月11日の続き。

減損損失の計上

未曾有の円高、韓国勢の急速な追い上げでこれらの投資が利益を生まない。テレビ、携帯電話、太陽電池、リチウムイオン電池。将来にわたって投資回収の見込みが立たないと判断すれば、それを認識した時点で損失処理をするのが今の会計制度だ。
パナソニック赤字の原因となった会計制度についての、説明がある。ポイントの一つは、投資回収の見込みが立たないと判断するかどうかで、役員会で話し合いがあり、パナソニックは積極的に損失計上する事を選んでいる。

パナソニック電池工場リストラ理由は、韓国企業との競争であるが、民主党政権が行ってきた為替レート円高ドル安政策により社員が2割も削減されることになった。

情報の秘匿を徹底

とはいえ「何としてもV字回復を達成する」と前社長(現会長)の大坪文雄(67)が6月末の株主総会で誓ったばかり。津賀は社長就任からわずか4ヶ月で、中村とその後を継いだ大坪路線の失敗を認めて負の遺産を処理する決断を迫られた。
情報漏れは絶対に許されない。決算発表前日の10月30日。夜遅く大阪から東京へ飛行機で移動した津賀は、定宿とは異なるホテルに泊まった
同様に、業績が悪化していたシャープは倒産危機であり中間決算4000億円の赤字であると、日経新聞が、決算発表前の10月25日に報じている。

パナソニックが、シャープを意識したのかは不明であるが、決算発表が事前にリークされる形では報道されておらず、情報秘匿の徹底が結実している。

パナソニック役員のやりとり

翌朝8時半、津賀は12人の役員を汐留ビル(東京・港)の会議室に緊急招集した。役員の一人は津賀に尋ねた。 
「こんな朝早くから何事か?」 
CFOの河井が今期の業績見通しを説明すると会議は荒れた。「本当にここまで(損失処理を)やる必要があるのか」「もっとやりようがあるはずだ、説明してほしい」 
だが、数時間後には決算発表が控える。津賀の腹は固まっていた。「今回はもう決めました。すべて今期に処理します。みなさんにはぜひ、今後の当社の復活のことを考えていただきたい」。こう押し切って記者会見の準備に入った。
決算発表をどうするかの発表は、東京のパナソニック汐留ビルで行われたようだ。このビルであるが、パナソニック電工旧本社ビルでありリストラが発表されている。

役員会では、中間決算で業績見通しの発表をどのようにするのかで議論があったようだ。パナソニックは、最終的に数字を厳しく見積もることに決めたようだ。

津賀社長 我々は負け組み

「我々はデジタル家電で負け組みになっていると言わざるを得ない」 
「いま、普通の会社ではないことを自覚することからスタートしなかればならない」 
31日午後5時半からの記者会見。津賀は思いのままを口にした。「社長が社外に向かって言う必要がある言葉なのか」案の定、社内からは批判も出たが、津賀にはこんな思いがあった。 
社員にもプライドがあるだろう。だがこの際、何もかも包み隠さず、社外にもパナソニックの今の置かれた現実を知ってもらった方がいい。「また、一から会社を立て直すしかない」
記者会見で、パナソニック津賀一宏社長が「われわれは負け組」と発言したことが、話題となった事を覚えている方も多いのではないだろうか。

津賀社長の経歴とリストラ

津賀は2011年、不振のテレビ事業のトップに就任すると、稼動から1年半しかたっていないパネル工場の停止を指示した。伝統と格式を重んじる「名門パナソニック」にあっては異端児とも映るスピード感と大胆さに期待して、中村と大坪は後継者に選んだ。
津賀もその役割を自覚している。約32万人の従業員を抱える巨艦をどう浮上させるか、何が必要か、考え続けてきた。
津賀社長は、テレビ事業のトップとしてリストラを行っているが、パナソニックのテレビ事業に変化が生まれている。テレビ事業は、テレビ組立とパネルの2事業で構成されているが、テレビ組み立て事業は黒字化している。

決算発表で株価が大幅安

決算発表当日、津賀は管理職らが対象の集会でこう語った。「今回の決算は極めて厳しい内容と言わざるを得ません。社内外に大きなインパクトを与えることになります」。その言葉通り、翌日の株式市場ではパナソニック株が大きく売られ、前日より100円安い414円のストップ安をつけた。
パナソニックの決算発表を受けて、市場が動揺。パナソニックの株価は大きく値下がりしている。パナソニック株価が高い水準に戻りつつある事をまとめたが、12月20日の終値は508円となっており決算発表前の水準に近付いている。

津賀社長は、パナソニックが決算で巨額の赤字を計上する事を決断したが、選挙後のご祝儀相場もあり、決算発表前の水準に株価は戻している。今後、どういった値動きになるのか注目だ。パナソニック社員 リストラ70,000人(3)に続く。
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