パナソニック提携とリストラ 富士通と半導体で

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パナソニックはリストラを進めていますが、半導体は富士通と提携することを発表しました。パナソニックが設立する新会社に台湾のTSMCが入っており、コスト競争力を生かす事ができるのか注目が集まりそうです。


(1)提携とリストラ

パナソニックは経営再建を進めていますが、通常の事業提携と同時に、リストラを目的にしたと思われる事業切り離しと提携を平行して行っています。

パナソニックは、追い出し部屋報道で注目が集まっていますが、半導体はパナソニックと富士通で提携して新会社を設立するようです。パナソニックと富士通の半導体の新会社は、台湾企業との提携も見据えており、複数の段階があります。

パナソニックの提携について2013年2月1日のNHKが、富士通とパナソニック 半導体で新会社と報じているので見てみましょう。

(2)日本政策投資銀行が出資予定

大手電機メーカーの富士通とパナソニックは、採算が悪化している「システムLSI」と呼ばれる半導体の事業を統合して新会社を設立し、この新会社に日本政策投資銀行から数百億円の出資を受ける方向で最終調整を進めていることが明らかになりました。
パナソニックと富士通が提携する会社に、日本政策投資銀行が出資を行うようです。日本政策投資銀行の特徴は以下の通りです。
  • 日本政策銀行の筆頭株主は財務省
  • 日本政策銀行の取締役に財務省の天下りがいる
日本政策銀行が、パナソニックと富士通の新会社に出資を行うと言う事は、国策で統合するとも言えるかもしれないですね。

(3)お金の面で、システムLSIの特徴

デジタル家電や自動車などに幅広く使われる「システムLSI」は、開発と生産に巨額の投資が必要な一方、海外メーカーとの価格競争が激しく、各社で採算が悪化しています。
半導体の、システムLSIについて特徴が説明されています。戦後最大の倒産、2012年エルピーダメモリが話題になりましたが、DRAMのため異なる分野ですね。

システムLSIは簡単に言うと、儲からないうえに開発と生産に巨額が必要になると説明されていますね。国が支援する背景には、そういった事情もあるのでしょうか。

(4)フォンドが数百億円を出資

このため、富士通とパナソニックの2社は、「システムLSI」の競争力を高めるため、両社の設計・開発事業を統合し、新年度・平成25年度にも新会社を設立する方向で最終調整に入りました。 
新会社には、日本政策投資銀行が来月にも設立する「競争力強化支援ファンド」を通じて、数百億円を出資する方向で検討しています。
パナソニックと富士通は、平成25年度に新会社を設立して、ファンドが数百億円出資するようですね。ファンドのお金と言っても、ファンドのお金に政策投資銀行のお金があれば、国のお金ということになります。

(5)ルネサスエレクトロニクスは参加せず

この事業統合には、当初、半導体大手のルネサスエレクトロニクスも加わることで交渉していましたが、現時点では条件面で折り合いがつかず、ルネサスを除く2社で統合を目指すことになりました。
パナソニックと富士通の提携に、ルネサスも加わる予定だったようですが、参加を見送ったようです。ルネサスは、巨額の赤字に苦しんでいますが、単独でどのようにして生き残るのか再建策と業績が注目を集めそうですね。

(6)TSMCは5000億円の純利益の優良企業

富士通とパナソニックは、さらに、システムLSIの生産でも事業を統合し、台湾の半導体メーカー「TSMC」とともに新会社を作ることを検討しており、国際的な競争力の強化を目指すことにしています。
アップルは、半導体をサムスンから購入していましたが、TSMCに切り替えたと言われている事がありました。TSMCは半導体の受託生産大手です。

TSMCの2012年10~12月期決算を、2013年1月17日の日経新聞が報じています。
  • 売上高が同25%増の1313億台湾ドル
  • 純利益が前年同期比32%増の416億台湾ドル(約1280億円
  • 売上高が約1兆6000億円、純利益が約5000億円(単純に4倍)
TSMCの業績を4倍して、年間に直すと売上高が約1兆6000億円、純利益が約5000億円と高い利益水準である事が分かります。

(7)パナソニックの業績に注目

TSMCが業績好調であることをまとめましたが、テレビ事業を見ると台湾勢のホンハイが販売する事を発表しています。パナソニックの四半期決算は、黒字に転じていますが、事業領域をどうするのかポイントになりそうです。

パナソニックと富士通が提携により、半導体事業を再編する事を発表していますが、どういった事業展開になるのか注目ではないでしょうか。
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