中間決算が6851億円の赤字
10月31日の日経新聞が、パナソニックの業績悪化について報じている。この報道と業績予測が波紋を呼び、知っている方も多いであろう。▲パナソニック最終赤字7650億円 13年3月期
2012/10/31 15:13
パナソニックが31日に発表した2012年4~9月期の連結決算(米国会計基準)は、最終損益が6851億円の赤字(前年同期は1361億円の赤字)だった。ソーラーや民生用リチウムイオン電池などで事業構造改革費用が発生し、赤字幅が拡大した。繰り延べ税金資産の取り崩しも響いた。パナソニックは、中間決算で、前年度の中間決算よりも5000億円以上赤字が拡大している。赤字の要因の一つに、事業構造改革費用、いわゆるリストラ費用が含まれている点である。
本業の売上高が3000億円以上減少
固定費圧縮や事業構造改革の進展で採算が改善し、営業利益は前年同期比84%増の873億円だった。売上高は9%減の3兆6381億円。国内テレビ事業など映像関連機器が低迷した。パナソニックはリストラにより採算が改善、営業利益が増加したと報道されている。
ただし、パナソニックの決算で注目すべきは、半年で売上高が3000億円以上大きく減少していることである。
さりげなく報道しているが、普通の大企業が、一つ吹き飛ぶ規模の売上高が減少している。
後ほど書くが、これが、通期の業績予想に大きな影響を及ぼしている。
配当と前期の業績
4~9月期の配当(中間配当)は見送った。前年同期の実績は5円だった。パナソニックは、2012年度も、2011年度とほぼ同額の赤字を計上している。
2013年3月期の連結業績は最終損益が7650億円の赤字(前期は7721億円の赤字)になるもよう。年間配当計画はゼロ円とする。前期実績は10円だった。
パナソニックの来期の業績について、日経が触れていない数字について、パナソニックの決算報告書を見てみよう。
通期業績予想は売上減少の影響を受ける
Panasonic IR 第2四半期決算資料より
パナソニックの決算資料の通期の見通しについて触れたのが上記。下記は、抜粋。
営業利益につきましては、この売り上げ減少が大きく影響し、減益となる見込みです。
営業外損益(5,050億円の損失)には、事業構造改革費用4,400億円が含まれています日経新聞は、パナソニックの中間決算は、売上高の減少報道に対して、営業利益増加を報道している。パナソニックの売上げ減少について、簡単にしか触れていないが、これが利益減少の大きな要因の一つである。
下記で計算するが、決算の下方修正の全てが、営業外損益ではない。
数字のズレ
パナソニックは、当初、2012年度決算を500億円の黒字と想定していた。そこから、7650億円の赤字に下方修正しているのである。- 2012年度 当初決算予測 + 500億円
- 2012年度 修正決算予測 -7,650億円
- 2012年度 決算下方修正 -8,150億円
- 事業構造改革費用 4,400億円
- 差額 3750億円
この差額、3750億円が大きな問題となる。
日経は報じていないが、パナソニックの、売上高の減少の可能性が極めて大きい。
パナソニック中間決算赤字報道で、日経が書かなかったことは、売上高の大幅な減少が、利益予想を下方修正したことではないかと考える。 スポンサードリンク
売上の減少より、サンヨーののれん代が増えたこと(損益計算書の営業外費用のその他)、繰り延べ税資産の取り崩し(同法人税等)じゃないでしょうか?
返信削除>通りすがりさん。
削除こんにちは^^仰るとおりだと思います。
売上高や利益が順調で、事業の見込みがたつのであれば、減損などは増やさなくてもよいのです^^
>通りすがりさん。
返信削除こんにちは^^仰るとおりだと思います。
売上高や利益が順調で、事業の見込みがたつのであれば、減損などは増やさなくてもよいのです^^